福岡県八女郡広川町
八女すだれ『すだれ工房』
八女竹細工発祥の地『八女郡広川町』
福岡県八女郡広川町は八女の伝統工芸品である『八女竹細工』の発祥の地とされています。八女地域は古くから良質な竹の産地として知られています。今回は、その八女地域の竹を使用し、100年以上すだれを製造している八女すだれ『すだれ工房』をご紹介します。
1.すだれの原料となる竹ひごの選別
八女すだれは、竹の皮と節で模様を描いていくように編んでいきます。竹は1本1本表情が違います。竹の皮の色、節の間隔。その個性ある素材を1枚のすだれに仕上げていきます。
色合いと節間に違和感のないように職人の目で選別していきます。
2.すだれ織機のセッティング
すだれの出来上がり状態をイメージし、竹ひごの節間を加味しながら、編糸の間隔を調整していきます。すだれを編む事前準備に多くの時間を割いています。
3.すだれを編む
竹ひごを1本1本丁寧にすだれ織機に入れて編んでいきます。
足踏み織機のペダルを踏みこむと、稼働し、差し込んだ竹ひごに編糸を捻じるように絡み合いながら、編んでいく仕組みです。
竹ひごの皮目の表と、身部分の裏を合わせながら、節で模様を描いていきます。この竹ひごの表裏と節を合わせる作業が『八女すだれ』にとって重要な工程となります。
神社仏閣用の『御翠簾(おみす)』では節を稲妻模様に仕上げていきます。これは農耕民族であった日本人の古からの祈りを表現した模様だと言われています。「稲妻は雨をもたらし、食物が良く育つように」という祈りが込められているのです。
4.すだれに縁を縫い付ける
神社仏閣やお座敷用のすだれ『八女すだれ』は緞子とよばれる縁をすだれの四方に縫い付けます。
すだれは掛け下げると、重みによって若干長さが伸びる性質があります。月日を過ぎて伸び切る状態に合わせて、縁がピンと張るように、1針1針丁寧に縫い付けていきます。